須坂市の塩野から米子へ抜ける「みのどうトンネル」手前左側に変わった形の六地蔵石幢<セキドウ>が立っています。
塩野地区に残る伝説によると
米子の木食の修行僧で仁礼地域亀倉町の「萬竜寺」を建てた木食上人但唱<モクジキジョウニンタンショウ>が鉈<ナタ>一本で一晩にして彫り上げた石幢である
と伝えられています。
元々は郷蔵の庭にあったのですが、大正時代になって信心家の夢枕に地蔵が立ち
「東山に行きたい」
と言ったのだとか。
それで、現在の地に移されたのです。
仏教では人が死ぬと六道といわれる6つの世界に行くそうで、その6つの世界(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)で6種類の地蔵が救ってくれるとされています。
それで、この石幢に彫られたお地蔵さまも6つなのです。
6地蔵の個々の名称についてはあまり決まっていないようです。
資料によって異なっていますので、この石幢に彫られた地蔵のそれぞれの名前もわかりません。
この六地蔵は塩野の石造物としても古いもので、現在でも2月24日に地蔵祭が行われ大切にされているのです。