長野県須坂市春木町の住宅街の一角に
「十三塚」
と呼ばれる供養塔などが立ち並ぶ「塚」があります。
以前に「相森神社」にて、相森に伝わる伝説について紹介しました。
相森地区、相森神社に伝わる伝説の内容は
「昔、須坂新町の飴屋の若者が修行先の京で姫と恋に落ちたが、関係を許されず、若者は須坂に帰されてしまいました。
若者の後を追って須坂にきた姫ですが、若者の両親にも反対され、姫は落胆の末に相森のお宮で自害してしまいました。」
といったものです。
そして、この伝説には続きがあるのです。
「若者の後を追って須坂に来た姫には、付き添いが13人いたのです。
姫が「相森神社」の場所で自害すると、彼らは少し離れたこの塚の場所で姫を追って殉死しました。
姫が死んだ場所は「社」となり、付き添い13人が死んだ場所にはいくつもの供養塔が置かれ、塚となりました。」
という話です。
これらは本当の話だったのでしょうか?
全国には十三にまつわる伝説がいくつもあります。
そして十三塚に関係した所は、悪霊が集まり、これを除去したり、供養したりする祭場となっているのです。
「嫁入りの行列は、相森神社前を通ってはいけない」
とされることも、相森神社が伝説をかたどった「あわずの神社」だからではなく、それ以前から禁忌<キンキ>の場所だったからではないでしょうか。
「嫁入り前に通るな」といわれる場所は、全国にいくつかあるそうですが、それらもそのような理由だからなのだそうです。
この「十三塚の伝説」は長野県北信地方でも代表的な伝説。
その他にも、須坂にはいくつかの伝説が伝わっています。
今後、それらもご紹介できれば思います。