福島町

福島宿の馬頭観音騎乗像

宝馬に騎乗する観音像

長野県須坂市福島町は北国脇街道の主要宿駅、大笹街道の起点として栄えました。

福島町の北入口の堤防横に「馬頭観世音」があります。
昔の資料で見ると「馬頭観音騎乗像」となっていますが、どちらが正しいのかはわかりません。

堤防を作る際に、堤防の西側から東側に移されたのだそうですが、昔は道標も兼ねていたらしく台座に
「右中野道 小布施道
左北国街道 布野渡舟 善光寺街道」
と刻まれています。
布野渡舟<ふののわたしふね>とは、昔は松代から屋島へ「渡し舟」で北国街道と善光寺を結んでいたために書かれたようです。

三面のそれぞれの頭上に馬の顔があり(だから馬頭観音か!)正面の顔の額には縦の目があり三眼の憤怒<フンド>の表情をしています。
宝馬を戴く<イタダク>かわりに騎乗する観音像は県内でも珍しいらしい・・・。
須坂市と長野市松代を結ぶ須坂松代線に同じ形の観音様があるそうです。是非見てみたい!!

これだけ大きく丁寧に作られている像は少なく、福島町の北国脇街道の主要宿駅としての隆盛とその後の養種業の繁栄が伺えます。
建碑の記録は伝わっていないそうですが、福島の須田幸蔵たち北組中心で建てたものらしいです。

表情もはっきりわかり、優美な姿の須坂市最大の馬頭観音像を是非一度見てみてください。




福島宿の馬頭観音騎乗像

住所:福島町
名前:福島宿の馬頭観音騎乗像
取材日:2005/10/06
更新日:2020/03/30

参考文献

須坂市石造文化財<須坂市教育委員会>
ふるさと歴史マップ<須坂市公民館>

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