穀町

旧田中別邸

「門は、訪ね来る客人を招き通す所であるとともに、拒む所でもある。
そこにはその家の財力と心が表現されている。
それが故に訪ねる人も襟を正し、心を引き締めさせられる。」

この文は平成元年に発行された
「信州須坂の街並み」
という本の中の一文です。

長野県須坂市は「信州須坂 蔵の町」として、今に残る蔵作りの町並みを観光材料に全国に向けてアピールをしています。
市内のいたるところに明治から昭和初期にかけての
須坂市が製糸業で最も栄えた頃
に建てられた贅を尽した家屋や蔵が残されているのです。



写真は穀町の旧田中別邸。
土塀に囲まれた敷地の正面に立派な門があります。
柔らかく湾曲した軒先。
細かく敷き詰められた瓦。
門とは思えないほどに立派な棟と鬼瓦。

これほど立派な門はなかなか見ることができないでしょう。

そして目を見張るのは、手入れが行き届いている事。
塀や瓦がしっかりと手入れされているのです。


須坂の良き時代に建てられた数々の立派な建物とその門。

やはり立派な門をくぐろうと思うと
「背筋が伸び、心が引き締まる緊張感」
を覚えてしまうのです。






旧田中別邸

住所:穀町
名前:旧田中別邸
取材日:2006/09/04
更新日:2020/10/06

参考文献

信州須坂の町並み<青木廣安著、丸山武彦絵須坂新聞社>
よっとくらい 蔵の町<信州須坂町並みの会>

掲載している探検隊スペシャル