平成5年に須坂市指定有形文化財に指定された須坂市豊丘の「旧園里学校」は、明治6年に小山村(現須坂市大字小山)の「止善学校」の支校として灰野村地蔵堂に開校しました。
止善学校とは・・・
須坂市は昔より、北国街道、谷街道、大笹街道が交わり、外部との交渉が盛んでした。そのため住民の教育への意識も強く、江戸時代より寺子屋や私塾が多くあったそうです。
そうした動きの延長で明治6年に須坂市小山の円光寺内に説立された学校で、現在の小山小学校の前身です。
その後、名称を止善学校支校より競進学校と改称し、明治15年に園里村立園里学校となったのです。
児童数の増加に伴い明治16年に校舎が建設され、昭和4年に豊丘村役場になり、その後平成3年の復元工事を経て、建設当時に近い形として現在に残しているのです。
旧園里学校の造りの大部分は土蔵造りですが、随所に西洋建築様式が用いられている「擬洋風<ギヨウフウ>」と呼ばれる建築様式です。
特に玄関ポーチにある円柱の模様は和と洋の融合した面白く綺麗な造りをしているのですよ。
また、玄関上の六角の部分は「太鼓楼<タイコロウ>」と呼ばれ、当時は「太鼓」を置いて時を告げる場所として使われたいたそうです。
現在「太鼓楼」には延命地蔵尊が奉られているのです。
現在、館内は豊丘地域で使われていた教育資料を展示する博物館となっていて見学することができますよ。
☆旧園里学校
https://www.city.suzaka.nagano.jp/shougai/gakusyuka/bunka/shitei/gairyaku/zai31.php
開館時間 AM9時~PM4時
休館日 土、日、祝日 12月29日~翌年1月3日
館内に入ると、床のきしみの音が多少気になりますが、温かみのある木造の造りで、復元修理により多少手が入っているとはいえ、当時の学校の様子を伺うことができます。
このような建物で貴重な歴史資料を見ていると、今にも子供たちの元気な声が聞こえてきそうです。擬洋風の旧園里学校は過去の教育の場を垣間見る事のできる素敵な建造物なのです。