須坂市屋部町の北玄関口を護る自然石の道祖神です。
道祖神はその名の通りに「道の神」で峠や村境に祀られることが多いのですよ。この「道祖神」のある近辺は旧須坂村と旧小山村の境だったのかもしれませんね。
また、「道祖神」は「塞<サエ>の神」、「岐<フマト>の神」ともいわれています。塞は要塞の「塞」と同じく「防ぐ」意味を持っていて、「岐」は分岐点をあらわしています。
昔、悪霊や疫病、鬼は村の境界や道の合流地点から村に侵入してくるものと考えられていました。
村に侵入してくるそれらを防ぐ意味でも「塞の神」である「道祖神」は峠や村境に建てられ祀られたのです。
さらに道祖神は「生殖の神」ともされています。
安産、多産の神で、これが発展して五穀豊穣<ゴコクホウジョウ>の神ともされます。各地に「石棒」や「双体道祖神」が道祖神として祭られているのはこのためなのですね。
自然石である須坂市屋部町の道祖神。
その辺りに転がっていそうなこの石が「道祖神」に選ばれ、祀られたのには、その形が理由であったのですね。