長野県須坂市の銀座通りの中程に「八幡屋金物店」があります。
創業300年余りになるの金物屋の老舗なのです。
同店を須坂駅前通り側から見ると大小いくつもの土蔵が並び、八幡屋金物店が幅広い商品の取り扱いをし、物流が発達していなかった時代に沢山の商品を持っていたことがわかります。
土蔵は手前から「味噌蔵」「薪蔵」「鋳物蔵」「鉄蔵」と続き「文庫蔵」となります。
「鋳物蔵」「鉄蔵」なんていかにも金物店らしいですね。
また、八幡屋からは古くから町役人も務めたので古文書の所蔵も多く。「文庫蔵」は周りより重厚で妻を壁でふさぐ防火造りになっています。
この蔵はだいぶ凝ったつくりをしているらしく、特に錠前戸は部厚いケヤキの一枚板に、さすが金物屋らしく大阪錠といわれる手のこんだ錠前金具が備えてあるそうです。一度見てみたい・・・。
須坂駅前通りが広くなる前までは豪壮な長屋門があったらしいのですが、今はありません。
須坂市でこういったいくつも並んだ土蔵連を見ることのできる場所は今となっては少なくなりました。僕が知っている中ではここだけかも・・・。この場所は生で見るといくつもの土蔵が並びちょっと圧巻ですよ。
僕個人の意見ですが、
よく見ると土蔵の傷みがかなり進んでいるように見えます。
これだけの土蔵を抱えていて維持管理が大変なのでしょうね。
須坂市も「信州須坂 蔵の町」として蔵の町並みで観光事業を行っているのであれば、新しい蔵を作っていくだけではなく、古くからあるこういった蔵の保存に力を入れていただきたいものです。
新しい蔵よりも古くからある蔵のほうが絶対に存在感があり、魅力的なことは確実なのですから。