以前須坂市亀倉にある萬竜寺を紹介しました。
そのページでも軽く触れましたが「萬竜寺」の門脇に須坂市指定天然記念物に指定されているりっぱな「クマスギ」があります。
クマスギは昔「クマノスギ」と呼ばれていたそうで、円錐形(エンスイ)の樹形は一見してアカスギとは異なります。
また、クマスギは須坂市の「市の木」なんですよ。
どうしてクマスギが「市の木」にされているかというと
クマスギの増殖は発根性が強い理由から須坂市では「台木挿穂法<だいきさしほほう>」という改良育苗法によって大量に生産され、その方法が日本の造林法を変えるのに先駆的な役割を果たした
からなのだそうです。
正直須坂市の市の木が「クマスギ」の事も初めて知りましたし、須坂市で全国の造林法を変えるようなことが行われていたとはビックリ!
そして万竜寺のクマスギは須坂地方のクマスギの母樹と考えられていて、樹齢は300年と言われているのです。
樹齢300年のも巨木となると伝説が生まれて伝え継がれるようになります。
万竜寺の寺伝では米子の竹前某という人が伊勢参宮と熊野参詣の折に3本の杉の苗を持ち帰り、その内の2本を万竜寺の門脇に植えたのだと伝えられているのだとか。
本当は同じ巨木が2本あったそうですが昭和57年の台風の際そのうちの1本が折れてしまったのだそうです。
これほどの巨木が2本あれば、それはそれはすごい迫力があったでしょうね。残念です。
300年もの間仁礼地区を見守り続け、市の木「クマスギ」の導入の始まりとなったこの木は須坂市の宝であり、歴史的名木なのだと思います。