長野県須坂市豊丘小学校の東に小山があります。
この小山は「離山<はなれやま>」と呼ばれ、頂上に「目黒不動尊」を祀った社があるのです。
200年程前に畑を荒らす暴れ牛を静める事を願って、「目黒不動尊」祀ったものだと伝えられています。
離山の入り口にある鳥居(写真)をくぐり、「目黒不動尊」を奉っている杜へつながる山道を1キロ程登るのですが、これがなかなかキツイ。
杜の手前には展望台があり、天気が良ければ須坂市を一望でき、かなり良い景色をみることができそうですよ。
そもそも「目黒不動尊」とは平安時代に慈覚大師・円仁(後の天台座主第三祖)が、目黒の地に立ち寄った際に夢に出てきた神人の像を彫刻にして安置したのが始まりだそうです。
その後、慈覚大師が唐に行ったときに長安、青竜寺の不動明王をみて、先の神人がこの明王であると分かり、帰朝して堂宇を建立したのです。
「目黒不動尊」とは「不動明王」のことで、すべての障害を打ち砕き、おとなしく仏道に従わないものを人々を無理矢理にでも救済しようとする厳しくもやさしい慈悲に満ちた神様なのです。
形相も格好もかなり怖い神様なので、暴れ牛も静かになったのでしょう。
この「不動尊」を納める離山は「臥竜山」が雌竜と言われているのに対して、雄竜<オスリュウ>にみたてられているのです。
へぇ~「臥竜山」って雌竜にみたてられていたんだ・・・。
須坂市豊丘町は以前に紹介した「三原道の元標」にて「灰野道」に向かった地域です。昔は灰野村と呼ばれ「大笹街道」の裏道(三原道)に面した地域として栄えました。今も史跡や伝説の残る歴史の紐を解いてみると面白い地域ですよ。