長野県須坂市上八町にある地蔵堂、太子堂の横に「秋葉大権現碑<アキバダイゴンゲン>」が建っています。
この碑は総高が3.5mにもなる大きな石碑で地域では「秋葉さん」と呼ばれ親しまれているそうです。
「秋葉大権現」とは防火、鎮火を信仰する「秋葉信仰」で、その発祥は「三尺坊<サンシャクボウ>」という修験の行者を、その後大権現として祀ったところにあります。
正式名称は「秋葉三尺坊大権現」というそうですよ。
日本は山が多く、昔から焼畑農業の文化が育ってきました。焼畑は一定地域に火を放ち、延焼させないで鎮火させる技術が必要になります。このような「点火」と「鎮火」の作業が儀礼化して火の信仰を生んだのだと考えられているそうです。
三尺坊は尾張国の円通寺において鎮防火燭<チンボウカショク>の秘法を感得し、これにより「火伏せの神」としての信仰が高まったと伝えられているのです。
このように「秋葉三尺坊大権現」は「防火の神」であることから、昔より密集した木造長屋に住み、火事を恐れていた庶民の間で広く信仰を集めたのだそうです。
ちなみに言い伝えでは「三尺坊」は信州戸隠の生まれなのですよ。
この堂々とした石碑からはこの上八町地域を火災から守るに相応しい風格を感じることができますね。