須坂市本上町に「本上町三社」と呼ばれる石造りの祠があります。
祠の周囲に石垣を廻らせた約100㎡の境内の正面に「秋葉社」、右に「天照大神」左に「八幡宮」を祀っています。
(写真では右から天照大神、秋葉社、八幡宮)
そもそもこの三社は本上町のいたるところに祀っていたものを合祀<ゴウシ>したものなのですよ。
中央にある「秋葉社」のご本尊は静岡県周知郡春野町の秋葉神社で、火防の神<ヒブセノカミ>として信仰されている迦具土神<カグツチノカミ>を祀っています。
本上町の秋葉社は明治の初めまでは、劇場通りで現在の「はなこま本店」さんの上辺りにあったそうで、簡単な石の祠を建てて町の産土神として祀られていたのです。
明治41年に各町に散在していた「常盤町の稲荷神社」、「立町の皇大神社」「中町の秋葉さま」と共に維持管理問題の末、「芝宮」に合祀されたといわれています。
昭和7年の「秋葉社」の遷宮の際に、大正時代まで屋敷神として祀られ、地域を転々としていた八幡神を祀った「八幡宮」も一緒に合祀されたと記録されています。
日本神話の中の最高神である「天照大神」は、伊勢神宮など全国各地で祀られています。また伊勢神宮は親しみをこめて「お伊勢さま」「大新宮さま」などとも呼ばれています。
本上町の「お伊勢さま」は昭和5年に屋敷神を「金井原大神宮」として地域活性化のために町内に建立されました。
その後昭和13年頃に現在の位置に合祀されたのです。
かつて本上町の各地で祀られ、信仰されていた神様がそれぞれの理由でこの場所に祀られるようになったのですね。
調べてみると昔の方々の信仰の深さ知ることができます。
「本上町の三社」は現在も毎年5月8日と10月8日に近い日曜日に祭事を行っているそうです。
先人に習い、昔ながら三社を大切にしていきたいものですね。