長野県須坂市「中町の辻」より国道406号線を仁礼方面に向かうと、左手に重厚な「ぼたもち石」積みの館、「しらふじ」があります。
この建物は江戸時代に須坂藩の要職を務めた浦野家が須坂藩邸の西隅を固めるように建てた建物で、明治初期に新築された3階建ての土蔵と大壁造りの長屋門が残っています。
以前は門の右側に3階建ての物見櫓があり、氷水屋が営まれた時代もあったそうですが、昭和40年に壊し改築されたそうです。
明治43年頃に、下八町に住んでいた丸田家が浦野氏よりこの場所を購入し、建物東側のショウブ園に洋館風の診察室を建て「丸田医院」として病院を営みました。洋館の床下には切石を2段、木炭を敷いて湿気を防ぐ工夫をしてあるのだとか。
現在は「ふれあいの館 しらふじ」として貴重な歴史的資産として保存され、母屋1階の和室と洋館は、まちづくり活動や交流の拠点として活用されています。
門をくぐると、その先に「白藤園」と書かれた風流な扁額のかかる木戸門があり、白ふじの古木を見ることのできる庭園へとつづきます。
重厚な土蔵が目を引く外観、落ち着いた和の内装とそれとはちがった洋館。歴史の移り変わりを感じる建物です。
土蔵の屋根より見下ろしている威圧感いっぱいの鬼瓦もまた歴史を感じる風格を感じます。