本郷町

上の天王

天王とは全国の八坂神社で祀られている「スサノオノミコト」、別名牛頭天皇<ゴズテンノウ>のことです。

「スサノオノミコト」は
八岐大蛇<ヤマタノオロチ>を退治した日本神話のヒーロー

その乱暴な行動から天照大神<アマテラスオオミカミ>を天岩戸に隠れさせた悪の元祖
という二つの顔を持っています。

悪の顔を持つことから「疫神」「厄神」とされている「スサノオノミコト」ですが、昔から「疫神」を祀ることで疫病を免れるとされ、夏の祭り「祇園祭」の主役とされています。

もちろん須坂市の祇園祭もこの「天王(スサノオノミコト)」をお祀りする祭りなのです。




中世、現須坂市本郷地区は豪族須田氏によって治められていました。

現在「祇園祭」でお祀りされている「天王」は元々須田氏が京都より勧請され、それが江戸時代になり、「まちづくり」のために半ば強引に須坂に移された。
と、須坂藩家老丸山辰政著の「三峯紀聞<サンポウキブン>」に書かれているのです。

現在、本郷町には「上乃天王」「下乃天王」と二箇所石碑が建てられています。

全国的にも珍しい須坂祇園祭の「笠鉾と屋台の行列」と「お天王さんのお神輿」の発祥はこの地だったのです。

須坂市祇園祭は毎年賑わいをみせますが、祭りの須坂においての発祥やその歴史を知っておくこともお祭りを楽しむ上で大切な事なのかもしれませんね。




上の天王

住所:本郷町
名前:上の天王
取材日:2006/06/14
更新日:2020/09/02

参考文献

須坂市の石造文化財<須坂市教育委員会>
日本の神様がわかる本<戸部民夫著>
三峯紀聞<須高郷土史研究会発行>

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