坂田町

「牛の乳」の鏝絵

今は無くなってしまった鏝絵

長野県須坂市には色々な名前の付いた「通り」があります。
その通りの一つに「劇場通り」があります。それぞれの通りの名前には由来があるのですが、この「劇場通り」は昔須坂が栄えていた頃に、この通りに映画館があったことからこの名前が付いたそうです。
(その頃須坂市には四箇所もの映画館があったらしい・・・)

劇場通りを登っていくと右手に写真の「鏝絵<こてえ>」を見つけることができます。

この鏝絵の名前は「牛の乳」。
明治の後半にこの場所に住んでいた坂田家が乳牛を飼育し、牛乳を販売していたため、その看板用に描かれた鏝絵です。明治時代に牛乳を「牛の乳」と呼んでいた為、この鏝絵にもこの名前がついたのです。

鏝絵とは元々江戸時代末期に、左官職人である伊豆の「入江長八」(伊豆の長八)が漆喰を使い鏝で壁面に絵を描く彫塑技術を大成して完成させた漆喰芸術です。

その後、左官職人の間に広まって仕事をさせていただいたお礼と、手がけた仕事の証として全国各地で作成されました。

伊豆の長八美術館はなんか凄そう。一度見てみたいなぁ・・・。

この「牛の乳」は須坂市南原町の左官職人、関野彦三郎の作といわれています。左官業と芸術の融合ってなかなかいいですね。今も制作している方はいるのかな・・・。






現在この「牛の乳」の鏝絵は旧上高井郡役所内に保管され、近くで見ることができます。

「牛の乳」の鏝絵

住所:坂田町
名前:「牛の乳」の鏝絵
取材日:2005/06/17
更新日:2020/03/30

参考文献

ふるさと歴史マップ<須坂市公民館>

掲載している探検隊スペシャル