新田町

神明社

長野県須坂市と小布施町の間を流れる「松川」。
昔より松川は「暴れ川」といわれているように、度々氾濫していました。

松川のすぐ横の土地、「須坂市新田町」に住んでいた人々は、新田地域開墾当時より松川の氾濫には大変苦しめられたのです。

新田町では、隣の町小河原町の諏訪社「小河原神社」より分神した神様を「神明社」にお祀りしていましたが、
いつからか「水の神」である天照大神<アマテラスオオミカミ>をお祀りするようになりました。
それほどに新田町の人々は松川の水害に苦しんだのです。

小河原新田という土地名が出てくる最も古い文書は
松代藩に残された正保3年(1646)なのだそうです。
また、小河原より独立し「新田」とした文書は宝暦13年(1763)であることから、神明社創立時期は明和年間(1764~72)ころと考えられています。


現在、春祭りは4月第3土曜、日曜。
秋祭りは9月14日に行われています。

祭り際、神社入り口に立てられる大幟は2対あり、
1対は明治23年(1890)に貫名正祁によって書かれた
「正直神為徳」と「豊穣民所祈」
もう1対は昭和63年(1988)に上条信山によって書かれた
「水流心不況競」と「雲有意倶遅」
です。

祭りではこの大幟が立てられるというので、是非見てみたいと思っています。


「神明社」は、どちらかというと質素な造りの神社です。
しかし、祭りの時に獅子舞が奉納される際使われる神殿前に作られた舞台広さや境内に建立された石碑の多さからも、この新田町の人々の信仰の深さを感じることのできる所なのです。







神明社

住所:新田町
名前:神明社
取材日:2007/08/10
更新日:2021/04/16

参考文献

松川扇状地の里 小河原郷誌 <須坂市小河原郷中>

掲載している探検隊スペシャル