須坂町公園設計案

長野県須坂市にある「臥竜公園」の始まりは、須坂町の依頼により本多静六林学博士が「須坂町公園設計案」を大正15年に作成したことにあります。
昭和初頭の不況や数々の戦争により公園設計案は十分に生かされていませんが、本多博士の理念に基づき現在も公園整備が進められているのです。



2006年10月はじめに
須坂市立常盤中学校の先生方による「本多静六研究会」から一冊の興味深い本が発行されました。


「新訂 須坂町公園設計案」


この本の発行の経緯を同本の内容を元に紹介します。

平成17年より須坂市立常盤中学校では「常盤中カモシカ広場」として多目的広場の構想と整備を開始したそうです。
その多目的広場の構想過程において、先生方は大正時代に書かれた「須坂町公園設計案」と出会います。

この「須坂町公園設計案」は臥竜公園の公園設計案と共に、
常盤中学校の裏手の山、鎌田山の「鎌田山公園設計案」、
臥竜公園裏手の百々川沿いの「南原河沿公園案」
の三案が示されているのですが、
その内容は
長野県須坂市の自然と生活を十分理解した上での構想が書かれ、
発行から80年経った今でも非常に新鮮な文章でありました。

同本が書かれた時代が大正ということで、その文体は今の中学生には理解しにくいもの。

「本多静六研究会」の皆様はこの「須坂町公園設計案」を通じて偉大なる本多静六博士の高い理念を知ってもらおうと、中学生にも理解できる文にて改訂したのです。


読みやすく理解しやすい内容の「新訂 須坂町公園設計案」からは
常盤中学校の先生方の教育への情熱が伝わってきます。

そして、本の著者 本多静六氏の「人生を成功させる12か条」は
中学生のこれからの人生の教訓となることでしょう。
これを紹介している点も教育に携わる方々ならでは。

確かに須坂町公園設計案を作った本多氏は偉大な人物なのですが、
その内容を平成版として編集し、こうして発行された
「本多静六研究会」の皆様の努力と気持ちに感服いたしました。





須坂町公園設計案


名前:須坂町公園設計案
取材日:2006/10/16
更新日:2020/10/08

参考文献

新訂須坂町公園設計案<本多静六著 
須坂市立常盤中学校本多静六研究会編集発行>
臥竜公園の樹木<須坂市立博物館>

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