長野県須坂市では、毎年7月21日より25日まで須坂祇園祭が執り行われます。
祇園祭は21日の「天王おろし(神輿)」と「笠鉾行列」によって幕が開けるのです。
この時期に須坂祇園祭が行なわれることは知られていても、その意味はなかなか知られていないことが現状です。
そこで、今回はより祇園祭を楽しめるように「須坂市祇園祭笠鉾行列」に参加する各町の笠鉾について調べてみました。
須坂市上町では笠鉾の他に「幟<ノボリ>」があります。
その幟の赤い布には「嘉美満知」と太字で刺繍がしてあるのですが、その言葉の意味はわかりませんでした。
「須坂の祇園会」という本によると、芭蕉<バショウ>の歌のようなのです。
能楽の曲目にある「芭蕉」の内容は
「芭蕉の精が中国の楚の僧の前に現れ、世の無常と芭蕉にまつわる故事を語り、舞をまう」
といった感じです。
また同本によると、
その内容が宗教的意味合いもあることから、ダシに使われることは妥当である
のだそうです。
現在は依代<ヨリシロ>に真鋳製の御幣が飾られていますが、以前は現在幟に付いている「瓢箪<ヒョウタン>」と「芭蕉の葉」が笠鉾のダシであったと伝えられているのだそうです。
下帽額<シモモコウ>の金糸で刺繍された大龍の姿も立派なもので、一度は見ていただきたい一品ですね。
古くから行なわれてきた須坂祇園祭笠鉾行列の笠鉾の中でも、この上町の笠鉾が一番古い物と言われています。
是非大切に保存していただき、後世に変わらぬ姿を残していただきたいものです。