仙仁山のハルニレの木

長野県須坂市仁礼町の国道406号を菅平方面に上っていくと、道沿いに一本だけ大きな木をみつけることができます。

「ハルニレ」の木です。
ニレには春開花する「ハルニレ」と、秋に開花する「アキニレ」がありますが、この木は「ハルニレ」です。


須坂では、山に生える雑木の多くは薪炭の材料として伐採されるために大きく育つことはありませんでした。そんな中、この木だけが高さ15m、幹囲2.67mにもなっています。


現在このあたりの土地名は「仁礼<ニレイ>」と書いていますが、その昔は「楡井」と書かれていました。鎌倉時代などの史料にはその名前が多く登場してきます。
その名は、この木の名前の「ニレ」から引用したものと考えられて、昔このあたりには沢山のニレの木が生えていたことを知ることができます。
このようなことから、須高地区随一の大きさを誇るこの木から、歴史的に、生物学的にも中世の様相を知ることのできる木として須坂市の文化財の1つとして取り上げられています。



この木のすぐ横が道なので、乗用車や大型トラックが結構なスピードで通り抜けます。
しっかりと見ていないと説明看板を見ることができません。
地元の方にはもちろん、通り過ぎる方にも簡単に目に付くように、もう少し大きな表示があっても良いのでは、と思ってしまいます。



仙仁山のハルニレの木


名前:仙仁山のハルニレの木
取材日:2008/08/03
更新日:2021/08/05

参考文献

新撰須坂市の文化財<須坂市の文化財調査会>
仁礼の里史跡マップ<仁礼地域づくり推進委員会>

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