歴史的建物園内

越寿三郎の別邸門

長野県須坂市は明治時代より昭和初期にかけて製糸業の発展にて繁栄しました。
製糸工場の数は多い時で47工場にもなり、そこで働く工女は6千人を超えていたのです。
当時の須坂市は一大製糸工業地帯だったのです。


製糸業が隆盛を極めていた頃、須坂市内では、その繁栄を物語るかように随を凝らした建物が多く作られました。

「製糸王」と呼ばれた越寿三郎が須坂市太子町に構えた別邸もその一つです。


その別邸の「長屋門」は本当に立派です。

その長屋門は明治30年代に越寿三郎からの依頼によって、当時春木町に住んでいた棟梁「須山音吉」らによって新築されました。
入り口の左右にある「武者窓」の格子窓が大きく作られ、しかも格子が広くつけられているので江戸時代に作られた門よりも開放的に感じます。

また、白壁と黒塗りの柱の上手に組み合わされ、モノトーンでありながらホレボレするほどに美しいのです。

以前は、先に書いたように須坂市太子町にありましたが、平成になってから取り壊し移築され、現在は野辺の「歴史的建物園」内に展示されています。

☆財団法人須坂文化振興事業団 歴史的建物園


現在の家でこれだけの門を構える家は無いでしょう。
しかも別邸なのですよ!!
当時の製糸業の隆盛とその財力は、想像を超えている事を感じざるえません。

正に「製糸王 越寿三郎の遺産」なのです。





越寿三郎の別邸門

住所:歴史的建物園内
名前:越寿三郎の別邸門
取材日:2006/09/29
更新日:2020/10/07

参考文献

信州須坂の町並み<青木廣安著、丸山武彦絵須坂新聞社>
須坂の製糸業<須坂市教育委員会>
歴史的建造物園内パンフレット
その他参考資料

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