新町

塩屋さんの雛飾り

須坂市新町の「塩屋」では明治40年の雛飾りが展示されています。


面長できりりとした顔立ちのお内裏様とお雛様は現代の雛飾りと違います。

店主に話を聞いたところ、このイベントが始まった2000年までこの雛飾りが保管してあった箱は開けたことが無かったそうです。
およそ40年ぶりに箱から出された雛飾りのすばらしさに、初めて見た店主もびっくりしたそうです。

早速ひな壇を設置し、いざ飾ろうとしたところ、この雛飾りは今のものと何かが違うことに気がつきました。箱の中には3人官女や5人囃はもちろんあるのですが、それ以外にも色々な人形たちが保管してあったのです。
「別の飾りも混ざってしまったのかもしれない」
と思いつつ、わからない人形については1体1体取り出し、何の人形で何を持たせるのかを調べたそうです。中にはどうしてもわからず専門家に聞いたものもあったそうで・・・


調べた結果、それら全てが雛飾りの人形で、日本に昔から伝わる伝説などの人形であることがわかりました。


当時の雛飾りは、女の子のお守り的な役割のほかに、「伝説の口伝」の役割もあったのです。

お母さんと子供で人形を飾りながら母から子への口伝。

人形を飾りながら毎年聞かされる伝説を、子供はいつしか覚え、それを自分の子供にも教える。
雛飾りはこうした役割も持っていたのだそうです。


現代、家屋の事情や経済的事情などで小さな雛飾りが多く用いられています。飾らない家も多くあるそうです。それぞれの理由があるのでしかたがないのだと思うのですが、今回の話を聞いて、雛祭りの大切さを感じました。

せめて現代の雛飾りの配置の理由や伝説くらいは知っておこうと思いました。




今回ご紹介した「塩屋」さんの明治40年の雛飾りは本当にすばらしいものです。
是非ともご覧ください。




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