須坂市の仁礼町宇原地区に、宇原公会堂があります。
その横に小さなお堂が設けてあり、そこには「隠居薬師堂」と書かれた板が飾られているのです。
隠居薬師堂の由来について書かれた文章が、お堂の横に飾られていましたので紹介します。
昔、宇原の薬師は、近くの山の上のお堂の中に祀られていたが、そのお堂が雨漏りをするようになった。お堂を建て替える資金の無かった村人達は仕方が無く、山の下の薬師堂に山の上の薬師を合祀<ゴウシ>することにしたそうです。
しばらくすると、村内で疫病が蔓延し死人まで出る事態になってしまう。村人は薬師様に病が治るように祈りを捧げました。
すると、薬師様が夢枕に立ちこう告げられた、
「一つの堂に二つの薬師ではなんとも成し難いので、山の薬師を隠居に出して近くに小さなお堂を設けてくれたら疫病を治してやる」と
そこで、村人達は近くにお堂を設けたところ、疫病が全部治ったそうです。それ以来村人達はこのお堂を「隠居薬師堂」とよぶようになりました。
宇原公会堂には、薬師様がまつられた祭壇があるそうです。
そして、外にはこの隠居薬師堂。
二つの薬師がこんな近くに別々に祭られている理由は、こんなことがあったとつたえられているのです。