須坂市日滝地域本郷の蓮生寺<レンショウジ>の参道沿いの左手には「十王堂」があり、右手には「観音堂」があります。
創建は18世紀後半とされ、堂内には「聖観音菩薩<ショウカンノンボサツ>」が納められています。
仏像の中で各時代を通じて最も多く作られ残されている像は「聖観音菩薩」なのだそうですよ。
その理由は「聖観音菩薩」は人間の様相に一番近い「1面2臂」(一つの頭で二本の腕)であるということだと考えられています。
また観音菩薩は「観世音菩薩<カンゼオンボサツ>」とも言い、その意味は「世の音を観る」、つまり「世の人々の声や願い事を良く聞く」という意味なのだそうです。
堂内の「聖観音菩薩」の上には日滝村出身の「牧祥周(湖岳)」の書いた壁画があります。中央の額内の絵には文も添えられていて、その内容は牧祥周が見た夢についてらしいのですが、詳しくはわからりませんでした。しかし絵が書かれたのは明治37年頃ということがわかります。
今回紹介した観音堂や十王堂など本郷地域には仏教に関する史跡が多く残されています。それだけこの地域の信仰の深さ、歴史を重んじる心を感じることができるのです。