須坂市新町に店を構える「勝山タバコ店」。
明治10年から「勝六」の屋号で器械製糸業を営んだ、須坂でも古い製糸家の家です。
大正時代には工女が50人余り働き、50釜を持つ大きさでした。
四段蛇腹の軒裏と土塗の戸袋が見事ですね。
製糸業を営んでいたときには、1階で繭を仕入れ、二階は繭蔵だったそうです。
棟をよくみると亀の飾りが飾られています。
これは「玄武」という神様を模ったもので、厄除けに飾られているのです。
門を入ると、奥に深い屋敷が続いています。
この屋敷は、材木集めに10年を費やし、立派なケヤキで作られた母屋です。
その先には女工の保健室として使われた土蔵が今も残されています。
昔はご飯場、釜場、寄宿舎などもあったのだそうです。
裏庭には今でも裏側用水が流れ、製糸業を営んでいた当時の面影を感じることができるのです。