長野県須坂市中町の小田切家。
須坂に現存する明治以降に建てられた屋敷の中でも、その豪壮なつくりには目を見張ります。
小田切の館は、春木町から上がってきた通りと、須坂駅前大通りとの交差点に建っていますが、通り沿いには塀が建てられています。
ふと、その塀の屋根の上を見ると「桃」の置き物が置かれていることに気がつきました。
桃は、昔から病魔や厄災を退治してくれる象徴とされてきたのだそうです。
古事記では、
伊耶那岐命<イザナギノミコト>が黄泉国<ヨミノクニ>から逃げ帰る時、 死霊に追いかけられ、黄泉の国と現世との境目まで逃げました。それを見た白山比咩神<シラヤマヒメノカミ>が桃の実3個を投げつけたところ、 死霊たちは急に力を失って逃げ帰った
と書かれています。
有名な昔話の中で、「桃太郎」も鬼退治をします。
桃は「魔よけ」的な象徴とされているのです。
そのようなことから、小田切家では、鬼門とされているこの塀の隅の屋根の上に「桃」が飾られているのだそうです。
丁度、塀の角に植えられた「ナシの木」の花が満開となっていました。
鬼門の方向にナシの木が植えられています。
「鬼門ナシ」
なのだとか・・・
昔の人は縁起を担いで色々工夫をしていますね。
というよりも、生活を楽しんでいるように思えます。