本郷町

本郷の枝垂れ桜

長野県須坂市本郷町、高橋町の交差点から抜ける農道沿いに見ることができます。
住宅街の中に、こんなに大きな枝垂れ桜が1本だけあるので、遠くからも目立ちます。


枝垂れ桜を見て思うこと。

枝垂れ桜は、垂れた枝が地面に届きそうなくらいになっています。
皆様は、枝垂れた枝の中から桜を見たことがありますか?

桜の見方を知らない人は、桜を遠くから見たり写真を撮ったりしています。
日本人は昔から、桜の花を近くで見て、桜の下で宴を楽しんできました。「お花見」として桜の下で宴をひらくのは日本人だけなのだそうです。


桜は近くからみるのが一番です。
特に枝垂れ桜は近くから見なければ見たうちに入らないでしょう。


満開になった枝垂れ桜の枝の中から、外に向かって花を見ると、目の前一面が、いいえ、自分を取り囲む全ての面が薄いピンク色に覆われます。
もしも、これが真っ赤や真っ青ならば、圧迫感を感じて嫌な気持ちになることは間違いないですね。でも、桜のピンク色は、圧迫感があるどころか気持ちが穏やかになり、落ち着くような感じがします。

まるで、子供の頃に母親に抱かれているようなあの感じです。


枝垂れ桜の寿命は長いそうです。
須坂市にも、樹齢数百年の枝垂れ桜が何本かありますね。

枝垂れ桜からしてみれば、小さくて寿命の短い人間が枝の中に入ることは、人が子犬や子猫を抱きかかえているようなものなのでしょう。

皆様は子犬や子猫を抱きかかえる時、どのようにしますか?
僕は、なるべくやさしく、そして「よーしよーし」と優しく撫でます。
そうしているうちに、子犬や子猫が、自分の腕の中で寝てしまったら・・・。
心が和み、決して嫌な気持ちになることはありませんよね。

人が、枝垂れ桜の枝の中に入ることは、それと同じなのだと最近思うのです。

枝垂れ桜の枝の中に入ることで、僕の気持ちが穏やかになるのは、桜が僕をあやしてくれてからだと思えてなりません。


皆さんも是非、枝垂れ桜の枝の中に入ってみてください。
そして、枝の中から花見を楽しんでみてください。
桜もきっとそれを望んでいますし、嬉しいことでしょう。



わかっているかと思いますが、「枝の中に入る」ということは、枝に登ったり、枝に傷をつけることではありません。
子犬や子猫にひかかれて痛いように、桜も人間に傷をつけられたら痛いのです。

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