春木町

佐藤家(宇治乃園)

須坂市春木町のある、御茶屋の老舗「宇治乃園茶店」は典型的な町屋造りのT字型家屋となっています。

道に沿って平入りに建つ家屋の屋根中央にある「望楼<ボウロウ>」が目立ちますね。
須坂市では、この望楼のある家はこの「宇治乃屋茶店」と中町の「山下薬局」だけなのです。
これら望楼は、町が火災になったときに、辺りを広く見渡し防火に努められるように作られたのだと考えられます。


その下に出された「御茶所」の古い看板がまたいいです。

この場所にお茶専門店を開いた佐藤崇蔵氏は佐藤家の2代目。
1850年頃に1代目の嘉右衛門氏が佐藤家より分家をしました。

崇蔵氏が店の開店のときに、ケヤキの一枚板に書かれた古い看板をどこからか譲り受けたと伝えられています。
普段は緑色の文字で「御茶所」と書かれているものは本当の看板を保護するカバーなのです。
「えびす講」や祭りなどの人が多く出るときにだけカバーが外され、本当の金色で書かれた看板が出さるのです。


江戸時代や明治時代にはこの通りにも商店が沢山あり、このような看板が沢山飾られていたのでしょうね。
そんな町並みの再現も、いまだ多くの商店が並ぶ須坂市ならば可能なのではないでしょうか。







佐藤家(宇治乃園)

住所:春木町
名前:佐藤家(宇治乃園)
取材日:2007/01/04
更新日:2020/11/24

参考文献

信州須坂の町並み<青木廣安著、丸山武彦絵須坂新聞社>
よっとくらい 蔵の町<信州須坂町並みの会>
その他参考資料

掲載している探検隊スペシャル