長野県須坂市春木町の中央通り中ほどに「高庄<タカショウ>」と呼ばれた高橋宅があります。
Tの字に組まれた蔵とその横に奥へと入れる門があり、
須坂市の町並みで「町屋造り」といわれる造りの典型的な家なのです。
現在「春木町」と書かれた電灯の看板には、昔「高庄」と書かれてありました。
この家は寛政10年(1799)に書かれた「須坂町絵図」にも「紺屋庄右衛門」と書かれている古い家なのです。
現在の家は文政期(1818~1830)の建造といわれています。
築200年。すごい!!
屋根の瓦は昔の資料みると「鳥休め」といわれる、この須坂地域独特の形をした鬼瓦がのっていました。最近替えたようですね。
しかし、門の上の鬼瓦は替えられていません。
影盛<カゲモリ>という立体的となっている鬼瓦と、その大きな両方の鬼瓦を結ぶ「組棟<クミムネ>」。
重厚感たっぷりの鬼瓦が上から威圧しています。
大正時代の家主、高橋庄右衛門は大正末期に「株式会社高盛社<コウセイシャ>」として製糸業を営む一方、町会議員として行政にも力を注ぎました。
大正15年に出された「須坂案内」にも「高橋庄右衛門」の名が書かれているのです。
門の腕木<ウデギ>には須坂町町長の退任記念に造った「町章」が誇らしく飾られています。
現在も残る200年前に建てられた旧家。
是非見ていただきたい家の一つです。