長野県須坂市春木町にある「墨坂神社 芝宮」の境内に菅原道真公をお祀りしている「天満宮」があります。
今から330余年前、四代須坂藩主堀直佑<ホリナオスケ>が隠居後、延宝元年(1673)に大宰府より勧請し、神殿を造りました。
勧請された当時、この天満宮は立町にあったのです。
当時は「立町の天神さん」とも呼ばれ、須坂藩の智と文化の守護神として地域より信仰を集めたそうです。
現在天満宮跡地に建てられた案内板には
「寛政2年(1790)と弘化3年(1846)に御開帳が催され近隣の参拝客で賑わいをみせた。参拝客の中には良寛や一茶もいた。」
とも紹介されています。
その後、明治39年の神社統廃合の政令によって、本殿は現在地の芝宮境内に移されることになりました。
場所は移動になりましたが、「学問の神」「至誠の神」として世の崇敬を集めている天満宮には現在も、菅原道真公の亡くなった2月の供養祭や大晦日の二年参り、受験シーズンには多くの参拝者で賑わいをみせているのです。