丸山家は、新町通りの入り口にあり、妻壁が母屋の棟<ムネ>よりも高くしてある「うだつ造り」が特徴の家です。
うだつ造りの家は、須坂市では2軒しか残されていない貴重な町屋で、明治時代に造られたと伝わっています。
「うだつ造り」とは、軒を連ねる町並みに多く見られる造りで、火災の際の延焼を防止するはたらきをもっています。
土壁で造られ、厚みも持たせられている壁は、軒裏に火がまわらないように軒先まで壁が突き出たつくりになっています。
丸山家のうだつの厚さは約一尺(30.3cm)。トタンをはめこむ工事の際、6寸釘ではきかず、8寸釘を特注したのだそうです。
これだけの厚みのある土壁を造るので、手間と費用のかかる家屋造りといえます。
そのために、出世したり地位が上がらない、金銭に恵まれないなどの意味で「うだつが上がらない」なんて言葉にも引用されています。
丸山家は15代も続く旧家で、「つづき屋」の屋号をもつ建具屋です。
須坂で製糸業が盛んだった頃は、生糸を巻く糸枠を製造していました。
そんなことから「枠屋」として世に知られていた旧家なのです。
平成26年に阿部氏が取得。屋号を「枠屋」として飲食店を始めている。