下八町

薬師庵

須坂市幸高の交差点から須坂高甫方面に向けて鮎川沿いに延びる「須坂インター線」。今は須坂の主要道路の一つです。
その「須坂インター線」の途中で鮎川を渡り八町地区に入ると右手の山の中腹に「瑠璃光山<ルリコウサン>薬師庵」が見えます。

この地に伝わる伝説によると

天文3年(1534)に現在の薬師庵とは別の場所に、その時代にこの地域を治めていた、井上信濃守政満が瑠璃光山満願寺<マンガンジ>を創建したとされています。その後の川中島の合戦で満願寺は焼失してしまうのですが、その際密かに満願寺の本尊である「薬師如来」を隠し寛永20年(1643)に再興したのが「瑠璃光山薬師庵」なのです。

と現在まで伝えられているのです。
やはり八町地区は井上地区と近いだけあり井上氏にまつわる伝説が残されていますね。

この薬師庵は別名「八町薬師」として付近住民に親しまれ、日野地域にある「沼目薬師」と共に須坂地域の薬師信仰の拠点とされてきたのですよ。


10畳ほどで、ほのかに線香の香りが漂う薬師庵堂内には、本尊薬師如来像を祀った祭壇を中心にして「薬師如来」と書かれた堤燈<チョウチン>がいくつかぶら下がっています。
伝説を知ることにより、井上氏がこの地を治めていた時代より須坂を見続けてきた如来像の姿がより一層印象深く写りました。





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