長野県須坂市屋部町公会堂の東側に大きな枝垂れ桜があり、その下に「准胝観世音<ジュンテイカンゼオン>」をお祀りした小屋があります。
「准胝観世音」は准提仏母<ジュンテイブツボ>、七倶胝仏母<シチグテイブツボ>などとも呼ばれているそうですが、真言宗醍醐寺系では「准胝観世音」と呼んでいるのだそうです。
昔より須坂市上高井地方には真言系の行者が多かったそうで、そのためにその行者衆の手によってこの場所に祀られたものといわれているようです。
この「准胝観世音」は誰でも差別なく祈願成就されるといわれ、
特に「心の働きを洗浄する仏」
「子授けの観音」
「子育ての観音」
として深い信仰を集めてきました。
屋部地域で「この観音さまにお多福風邪の時には煎り豆を供えるとご利益がある」と伝えられているのもこういったわけがあるからです。
先ほど述べたように須坂地方では昔真言宗の行者が多くいましたが、市内でこの様に「准胝観世音」が祀ってあることは珍しいようです。
この像は貴重なものなのです。
堂内は綺麗に整頓されていてホコリすらたまっていなく、地域の方々の信仰の深さを感じます。
しかし残念なことに堂の扉には「最近賽銭泥棒が頻繁に現れる」との注意書きがありました。
地域住民の信仰を踏みにじるような行為が行われることはすごく残念なことですね。