寺町通りをくだった角に豪壮な蔵作りの家があります。
寺町通りと言っても地元、須坂住民でも知らない方の方が多いと思いますが・・・。本上町の「勝善寺」を「みのり」方向に下る道が寺町通りと呼ばれていたのですよ。
この建物は須坂が製糸全盛期の「信陽銀行」跡なのです。
信陽銀行は当時の製糸業者小田切辰之助、青木甚九郎、遠藤万作が中心となり、明治8年に結成された「東行社」の関係銀行で、明治30年に創設されました。信陽とは信州の別称らしい・・・へぇ~。
正面は玄関先に石橋がかかり、水路に沿って堅固な「ぼたもち石」が基礎で積み上げてあります。
柱や梁、扉はいずれもケヤキ造りで粋を感じます。
高くそそり立つ妻壁には三段の雨切りがあり、乳カギがきれいに並んでいます。乳カギは火災にあったときに、周りの建物から火がうつらない為に濡れムシロをかけるのに使用し、装飾でもありました。
写真には写っていませんが、土塀の上にのっている防火と繁栄のシンボルの亀瓦がいいですね。